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澄心寺・庫裏(住宅部分)
デザインコンペティション 応募案

2つの境内

登る境内/下りる境内
守る歴史/つくる歴史

 


コンセプト

檀信徒の方々が「登る」と表現されているように 現在の境内は宗教空間に特化した非日常の空間であり、 近寄りがたい厳格な印象をもつ。 一方、庫裏の建設に伴いコモンスペースを中心として 新たな可能性の場として形成したいという想いは、 檀信徒の方以外の人たちも気軽に立ち寄れる 日常的な場としてつくられるべきであり、 この2つは大いに矛盾し対立する命題でもある。そこで、今回の提案ではまず、 寺院手前に配されている塀と同じ高さの新たな塀(境界線)をつくり、 現在のぼんやりとした境内の輪郭を整える。 そしてその塀を介して、従来の境内側に既存の寺院の属性をもった諸室を、 新たな境内側に住宅部分やコモンスペースを配置し、漠然と寺院の境界を 解放するのでなく、寺院本来の性格を確かめ、 従来の境内空間を厳格に引き締め、 まちから境内へと「登る」ことを意識させるとともに、 コモンスペースには「登る」のではなく「下りる」ことで 非日常間を与えずに気軽に立ち寄れる可能性を生む。   従来の宗教空間としての厳格さを保った顔と、 新しく気軽さを持って招き入れる顔という、二つの顔を合わせもち、 法要などを通じて歴史を守っていくことと、 コモンスペースを通してこれからの歴史を作っていくこと、 両者を満たすために、 閉じることと開くことのできる2つの境内空間を提案し、 その境界を行き来することでこの場所への「想い」が育まれる事を期待する。